映画キッズ(2)

映画から人生やら、ものの考え方を学ぶ。当たり前といえば当たり前だ。価値観とか自己形成に関する講義をやっていると、いったい自分はどうやって自己形成し、何に影響を受けてきたんだろうと思うことがある。答えは結構明白で―僕のばあいも10歳代に観た映画だ。
父が映画好きで、わかりもしない小生学生低学年の僕を「アラビアのロレンス」や「カモメのジョナサン」なんかに連れて行っていたっけ。自分で初めて映画を観ようとして観たのが小学校6年生の時の「OK牧場の決斗」(1957年)。もちろんテレビでだ。電車の中吊り広告が印象的で、これを観ないと歴史から取り残されるんじゃないかという不安というか期待すらあった。物語は有名なワイアット・アープ保安官が飲んだくれのドク・ホリディ医師が組んで、クラントン一家を迎え撃つというもの。
実際、映画は面白く、最後の解説で、この決闘が実話だと知って、その夜、いろいろと考えた。多分、次の日もずーっと考えていた。何にも手がつかず、これは「OK牧場」の魅力というより映画の魅力なんだということに気がついた。
この日をもって僕の映画キッズとしての生活が始まる。中学生になって、クラスに映画好きが3、4人いたこともあって、毎日、どんな映画を知っているかということを競い合った。当時(1975年頃)は、すでに廃れていたウェスタンになぜか人気があった。
「OK牧場の決斗」で僕が感情移入したのは保安官ではなく、飲んだくれ医師だった。アウトローが格好いい。小中学生の男子生徒なら自然な感情かもしれないが、その後もジョン・ウェィンのようなマッチョよりも、「真昼の決闘」の老保安官や「荒野の七人」のブロンソンのような、どこかはずれた役柄に強く惹かれた。いずれにせよ映画を通して自分の中で「格好いい男」像が出来上がっていったといえよう。
そんな僕がタイトルからウェスタンと勘違いして観たのが、、、「真夜中のカーボーイ」。ここから映画キッズとしての大きな転換が生まれた。【続きを心して待て!】

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