日本酒との出会い

NCCの学生懇親会で、酒談義になった。日本酒を美味いと思うかどうかということを副手のT嬢に問うたところ、「苦手」だという。学生も、あまり日本酒を飲まないみたい。
そこで僕と日本酒との出会いを語ったんだ。


大学に入った1982年。日本は空前の焼酎ブームだった。焼酎ブームといっても、今のような銘柄にこだわるのではなく、いわゆる「酎ハイ」。庄屋系だと、「ハイサワー」っていうのか。種類は「レモン」「ライム」「梅」くらいしかなかったけど、飲酒のかなりの部分を焼酎の炭酸割りが占めていた。
そんなときにO先輩、S先輩とともに神楽坂をほっつき歩き、「茂吉」なる小料理屋がふと目にとまった。庄屋や村さ来などの居酒屋でしか飲まない我々にとって、敷居は高かったが、なぜか3人で入ってみた。メニューを見ると山形料理で、正直言って、よくわからない。
なんとか行者ニンニクとイモご汁なんかを注文。おっかなそうな店のオヤジに「安くて量の多いものは」という大胆なお尋ねをして、一笑に付された後、「イカ丸焼き」との示唆をいただく。
そうこうしているうちに、オヤジが「帰った客が丸々残したから」といって、お銚子をもってきた。杯に注ぐと冷たい。
そう、当時は日本酒といったら熱燗だった。そして飲んでみると、、、実にフルーティで美味い。
それが出羽桜・吟醸との出会い。
博学なO先輩や物知りなS先輩が、突然、吟醸談義をしだしたが、多分、知ったかぶりだったんだろう。3人とも酒というものを再認識した夜だった。
今の学生も多分、日本酒を飲まないのだろう。こうした出会いは求めようと思って得られるものではない。ある日、偶然、やってくる。よくインドについて人は「インドは行くところではない。魂が呼ばれるところだ」という。酒もそうだ。ある晩、魂が酒に呼ばれていくんだ。僕にとっての神楽坂の出来事は、そうした晩だった。

4 comments

  1. こへい より:

    私は日本酒飲みます。とはいえ、焼酎を好んで飲んでいますが…。
    吟醸は私のバイト先にあります。おいしいですよね。飲みやすいし。
    それと今の私たちの年代は、サワーが焼酎の炭酸割ということを知らない人もいるみたいです。サワーが当たり前になってしまった時代になってしまったから、知らないのも無理はないかもしれないですね。

  2. こうちゃ より:

    ↑まじか…知らない人いんだ…。
    実は日本酒好きです☆

  3. みゅう より:

    私も、大学生(最初の)だった頃は
    日本酒を飲もう、という発想自体なかったですね。
    つきあいで飲みにいくお店に
    おいしい日本酒はあまり置いてなかったし。
    それにしても、冷酒との出会いが出羽桜だなんて素敵すぎる…。

  4. 弓山達也 より:

    ほんと、素敵でした。

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