「ハゲタカ」ストーリー破綻

TVシリーズを見た者にとって、懐かしいというか、ニヤリとするというか、十分に楽しめた。が、ストーリーは破綻していた。まぁ、それも楽しみの一つなのかもしれないが、、、、以下、ネタバレあり。


(1)中国の惨状が「資本主義の焼け野原」?
ストーリーは貧困にあえぐ中国の農村に始まり、そしてそこがラストになる。だから重要な設定であるが、ラスト間際、鷲津は芝野に「これからどうする?」と聞かれ、「資本主義の焼け野原に行く」と意味深なこと言う。そこが中国の農村。うーん経済特区だったのかな。それとも資本主義の矛盾が中国の農村を疲弊させているという主張なのか。
(2)西野旅館は上客をはめた?
TVシリーズから西野旅館は重要なエピソードだが、ぼっちゃん、犯罪者(殺人未遂?)だけど、いつの間にか老舗を取り戻したのね。お父さんも草葉の陰で喜んでおられるから、それはいいとして、鷲津に助けを求められて、なんとIT社長時代の知り合いでアメリカの証券会社の会長と、今回の映画の敵役である「赤いハゲタカ」こと劉を引き合わせ、両方まとめて沈没させるというシナリオに荷担する。最後に鷲津は「腐ったアメリカを、買いたたけ」(3回リフレイン)と叫ぶ。西野のぼっちゃん、お客さんをはめるなんてひどいんじゃないの。おまけに柴野は日本の誠実さだか、勤勉さだかを賞賛して「日本もまだ捨てたもんじゃない」と。あの〜、、、客を騙してはめて勝利おさめて「誠実」も「勤勉」もないんじゃないの、、、
(3)ホームレスが財布を奪う
後半、劉は鷲津に「お前は誰なんだ」って言葉の暴力でやられて、急にへなちょこになってしまいます。そしてこれもラストの重要なシーンなのだが、劉は最後に無軌道な若者に刺されて財布を奪われそうになって、そこにホームレスが寄ってたかって金を奪っていく。「時計じかけのオレンジ」でアレックスを袋だたきにするホームレスのおじさんシーンがあったが、これは昔の仕返し。「ハゲタカ」のこのシーンは、実に唐突。全くもって路上生活者への偏見を固定化する、目を疑うようなシーンである。
このほか、劉にそそのかされる派遣社員の守山が重要な役柄なのだが、彼は金に目がくらんだのか、自分探しに走ったのか、株で成功(証券取引を見つめるシーンがある)したのかよくわからないまま、赤い車で街を疾走していたなぁ。何だったんだろう? 劉は残留孤児じゃないことが途中で判明するが、じゃあ、何で日本のシンボルの赤間自動車を救う策を密かにねっていたんだろう(残留孤児って設定だから、中国共産党と日本との間で葛藤していたんじゃないのか)? TVシリーズで鷲津が柴野に「私はあなたですよ」で、映画で劉が鷲津に「私はあなたですよ」、TVでは西野も似たようなこと言ってたっけ? なんじゃ、こりゃ? エバンゲリオンか?

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