映画キッズ(7)

2005年に4回([1][2][3][4])書いて、2009年に中学校時代の同窓会でインスパイアされて書いてきた、映画を見始めた小学校6年から中学にかけて(1970年代中頃)の「映画キッズ」の話([5][6])は、あと1、2回でおしまい。話は当時の映画ファンの中学生たち「映画キッズ」(カリスマ英語教師のヒロ松崎にBBSで命名された)の生態から、何だか自己分析というか、どういう映画にどう影響を受けてきたのかという反芻となって、自分で言うのも何だけど物語論的にも面白い。
不思議なもので、映画キッズといっても新作にはあまり関心がなかった(ちらし収集の関係上、熟知はしていた)。映画キッズは学校で、どれだけ古い映画を知っているか、あまり当時の中学生が見ない映画をどれだけ見ているかを競い合った。例えば中学3年生の終わりにスピルバーグの「未知との遭遇」が大ヒットしたが、映画キッズは冷ややかだった(だいたい学校から引率される名画鑑賞会にかかるような作品は、それだけでバカにされた)。もちろん「ジョーズ」なんかは歯牙にもかけなかった。「スピルバーグといったら「続・激突カージャック」でしょう。ゴールディ・ホーンが色っぽい」「いやテレビ版の「激突!」だね。「警部マックロード」のデニス・ウィーバーの演技がいい」、、、そんな会話を楽しんでいた。
こんな知ったかぶりの映画キッズだから、「名作」を見るにしても、アカデミー賞よりカンヌだった。中学校時代でいうとアカデミー賞で話題になったのは「ロッキー」(1976年)、一方、同じ年のカンヌは「タクシー・ドライバー」。後者の方が通っぽいよね。「映画キッズ(4)」で語った「第三の男」はもちろん、「恐怖の報酬」や「スケアクロウ」などカンヌのグランプリ作品は、僕のお気に入りだった(何度も何度も見た!)。
アカデミー賞でいうと、1939年にヴィクター・フレミングが「風と共に去りぬ」と「オズの魔法使い」を同時に発表して、この2本は最後まで作品賞を競り合ったという話(ホントかどうか知らない)を聞いたことがある。断然、僕としては「オズの魔法使い」である。テレビで見た時に解説の高島忠夫が「ジュディー・ガーランドって面白い顔してる」と言ったのが気になって、なぜか好きになった。ちなみに娘のライザ・ミネリも好きだった(上記のゴールディ・ホーンと合わせて考えると、垂れ目が好きな中学生だったんだろう)。中学1年の時のアカデミー賞は「カッコーの巣の上で」と「狼たちの午後」が二大有力候補だったが、こっちも「狼たちの午後」がいい。どうも作品賞の作品群には違和感があった。
有名な映画は見たい。でも大衆的なのはちょっと違う(今から思えば「タクシードライバー」「オズの魔法使い」「狼たちの午後」は十分に大衆的だが)。みんなが面白いっていう作品にケチをつけたり、人と違う作品に注目したり、違う着眼点を主張したい。子どもと言えば、子どもだが、そうやって自己形成していったのは紛れもない事実である。

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